生活デザイン(概論講義)

生活デザイン

生活を略するならば衣・食・住、デザインといえば設計・図案・意匠です。

従いデザインは、様々な生活、衣・食・住に関わっており、デザインされることで生活が便利に、快適に、使いやすく、さらに楽しくもなります。身近なもので例えるなら“メモ帳”などは「電話で聞いた番号・伝言をメモっておきたい」という要望、声が求められて世に出てきて、今ではホテルの客室や仕事机に置かれていますし、カバン・バックなどに入れて持ち歩くようにもなっています。

その他にも生活の中には何らか必要な道具・器具が溢(あふれ)れています。

▪️味噌汁や煮物を作るためには器としての“鍋”であったり、

▪️覚え書きをするのに書き留めるための道具として“ペン・鉛筆”と“紙” であったり、

▪️移動するのに助けとなる道具として“自転車”“自動車”“電車”といった動力具であったり、です。

このように人は生活する中で様々な器・道具・動力具を使って生活を営(いとな)んでいます。しかし、使い慣れてくるに従って、その器・道具・動力具の“欠点・長所”が見えてきて、「もっとこんな使い方が」「こうなっていればもっと使いやすいのに」と考えが進み、機能面や見栄え、見た目が変わり、機能面・サイズ、形も変わって進歩してきます。

 

この授業「生活デザイン」では、このような「もっとこんな使い方が」「こうなっていればもっと使いやすいのに」と思うことをデザイン化するためのアイデア法、進め方の発想法を勉強します。具体的には身近にある文具“メモ帳”“手帳”や“梱包”、“ペン立て”“カレンダー”を題材に行います。

広義デザインと狭義デザイン

『デザインをかたちにするのは①デザイン行為(アイデアスケッチや描写)ではない!』

デザイン行為を否定するのではなく、デザイン行為はコンセプトや企画、商品が求められる方向性に沿って行うということを知ってほしいのです。

例えば「新しいメモ帳をデザインして?」と言われたとします。言われたとおりに自分なりに良いと思ってアイデアスケッチをして1つのデザインを提案します。会社側は「デザイナーが良いと思ってデザインしたのだから売れるだろう」と考え生産・販売します。売れたらいいですが、デザインの方向性も決めずにデザイナーの主観によるデザインではまず売れません。

“なぜかわかりますか?”

人口1億人いれば1億人の考え、性格、好みがあるのです。商品は1人のためにつくるのならばいいですが、それでは高額になってしまい会社は破産してしまいます。少なくとも人口の10%か1%の人が買ってくれないと利益が出ませんので、1人の主観だけに頼るのではなく、(1人の主観に頼ってもいいのですが、その1人が)②デザインするモノの情報・分析・調査をして客観的な方向性が把握できた時点でデザイン行為に入ることが重要です。

広義デザインをもとに商品化しようとするが「売れるか、売れないか心配」。このような場合にクラウドファンディングを利用して市場調査をし、商品化に結びつける。

Googleフォームを使ったアンケート調査で市場調査する方法。

「帳」って言葉の意味は、「書きとめる」「つける」もの。

メモ帳、手帳は共に「書きとめる」「つける」モノです。が、用途としてメモ帳は個人的の専用物でなく、いっときの覚書用。手帳は個人の専有物であり、プライベート性が高い。

メモ帳

手帳