鉛筆デッサン

想像したデザインイメージや造形イメージを具体的につくろうとする場合、そのイメージしたモノを絵に描き残して描く必要があります。さらに、描き残した絵はバランスがよく、きれいなプロポーションになっていなければなりません。例えばビールびんを描いたのに「ビールびんに見えない」と言われないように描かないといけないと言うことです。思い描いたものをバランスがよく、きれいなプロポーションにするためには誰が見ても「〇〇に見える」としたものに描く必要があります。

そのために必要なのがデッサンです。目で高さ、幅、奥行きを確認しながら写し取って、紙に描いて学びます。

デッサンができてないと思う一言 [その1]

ー 教えてください ー

「モチーフに向かってモチーフの比率、モチーフ同士の間を計るためにモチーフに向かって測り棒・鉛筆をかざすのですが、肘(ひじ)を曲げて測っている光景を目にします。これは正しいのでしょうか?」

ー 回答 ー

間違っています。

デッサンはモノの形を目で捉えて、モノの形を把握する訓練です。そのため測り棒・鉛筆を使って頻繁(ひんぱん)に測りますので、肘を曲げては一定の比率を得ることはできません。

正しく比率を計るためには肘を伸ばして測りましょう。

※ 頻繁:ひっきりなしに行うこと

ーデッサンができてないと思う一言[その2]ー

-教えてください-

鉛筆でデッサンするとき「鉛筆をこすって描いてはいけません」「線で描きましょう」と言われました。どうしてこすって描いてはいけないのでしょうか?

-回答-

テレビドラマでデッサンしている映像を見るとこすっていますよね。この場合、目先にあるモチーフが石膏像であればこすって描きますが、びん、紙箱、プラスチック容器、金属器などの静物であれば線を重ねるように描きます。デッサンというのは面の濃淡で陰影をつけて描くのですが、鉛筆でこすっても陰影は表現できません。こすって描く場合は粉の出る木炭を使うことで描きます。しかし、静物をデッサンしようとした場合、木炭ではできませんので、鉛筆を使います。鉛筆を使うことで紙質、ガラス質感、金属、布・タオル感を出せます。